食品分野で広がるファインバブル技術 !
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テーマ
食品加工
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研究機関名
高知工業高等専門学校 ソーシャルデザイン工学科
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代表者
秦 隆志
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本研究の主旨
■ 研究の要旨
ファインバブル(写真1)とは、これまでマイクロバブルやナノバブルと呼称されていた微細気泡の国際標準化機構(ISO)の規格名です。近年、このファインバブルを搭載した製品群が、シャワーヘッドなど多様に上市され始めています。また、食品分野ではファインバブルを導入したマヨネーズも発売されており、このファインバブルの名称と共に広がりを見せています。しかしながら、食品分野での利用はこれからといった創生段階です。
本研究では、
・ファインバブルを導入することによって食品のテクスチャーに多様性が生まれること(図1)
・食品成分の抽出時間の短縮
・洗浄や内包気体種を替えることによる殺菌・鮮度保持の実例
・香料成分の気相とした内包技術
・ファインバブルを乳化剤の代用とした乳化剤フリーエマルションの作製(写真2)
などと共に発生機についても展示し、食品分野で広がりを見せ始めたファインバブル技術をご紹介いたします。
■ 本研究の特徴・目的・将来見込まれる成果
ファインバブルは、内包気体の溶解効率が高いことや長期間バブルとして存在できること、表面に負電荷を有するなど、産業的に優位な性質があり、適用範囲は無限に広がっています。また、使用する物は水と空気(あるいは純窒素など)であり、高い安全性や低コストといった利点を持ちます。さらに、例えば、添加剤なしで多様なテクスチャー(食感)が生まれるなど、食材や食品に高付加価値を創出します。
また、この発生技術を用い、ファインバブル化する気体の代わりに液体を導入することで液-液のエマルションが作製できます。この技術においては、一般的な乳化機に比べて低コスト化や省電力化が実現可能であり、さらに乳化剤を低減するといった革新的な要素を有していることも特徴です。
■ 研究の分野
食品加工の他、流動・撹拌、鮮度保持、機能性食品、殺菌などが挙げられます。
このように研究が進んでいますが、食品分野での利用は始まったばかりです。是非、ご利用検討をいただき、先駆者になってみませんか ?
(キャプション) 写真1 ファインバブル 図1 米飯のテクスチャー(硬さの低下) 写真2 乳化剤フリーエマルション