ナノ複合材料可食コーティングフィルムの開発と青果物の鮮度保持・抑菌効果
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テーマ
鮮度保持
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研究機関名
九州大学 大学院 農学研究院 環境農学部門 生産環境科学講座 農産食料流通工学研究室
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代表者
田中 史彦
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本研究の主旨
G7海洋プラスチック憲章の採択など国際的な流れもあり、脱プラスチックの動きが加速している。食品包装 業界も例外ではなく、環境負荷低減のための脱プラスチック包装技術の開発や食品ロスのさらなる削減など 、計画的に解決すべき課題は山積している。既にフランスでは、2020年2月に施行される循環経済法におい て、「2022年から小売店での1.5kg未満の未加工野菜・果物のプラスチック包装を禁止する」ことが定めら れており、この流れはEU諸国から世界に広がると思われる。これを受け、プラスチック包装に替わる新たな 青果物の鮮度保持技術として、可食コーティングが注目されている。環境負荷が小さく、かつ人体への影響 も無い生物由来の素材を用いて青果物を直接コーティングするものであり、抗菌成分を用いることで抑菌効 果も期待される。本研究では、この可食コーティングにナノコンポジットを導入することで新たなナノ複合 材料可食コーティング剤を開発し、青果物の鮮度保持効果と抑菌効果について考究した。その結果、界面活 性剤を使わないさらに環境負荷を低減したPickering型のエマルションの安定化に成功するとともに、ナノ 金属粒子を添加することにより抗菌性の向上が確認され、Green Shift とFood Loss低減の両方を同時に適 えることを可能にした。 (Fig.1 セルロースナノファイバーを用いて安定化されたピッカリングエマルション。橙色はアクリジン オレンジで染色したセルロースナノファイバーを示す。) (Fig.2 可食性コーティングを施した青果物の鮮度保持効果(25℃、5日間貯蔵) CS:キトサン、CS-SEOpick:キトサン、サンダルウッド精油、セルロースナノファイバーによるピッカリン グエマルション、CS-SEO:キトサンおよびサンダルウッド精油)